何が起きたか
ダイヘンは2026年8月21日、搬送ロボットと協働ロボットを一体化した自走ロボット「VIVACE」の販売を開始すると発表した。販売計画台数は年200台。同社によると、それぞれ自社開発した搬送ロボットと協働ロボットを一体化した製品としては国内初としている。
本紙の見方
ダイヘンが発表した「VIVACE」は、搬送ロボットと協働ロボットを一体化した自走ロボットである。販売計画台数は年200台と、特定市場を狙った量産型製品というよりは、ニッチな需要を見込んだ戦略とみられる。同社はこれまで半導体先進後工程向けパネル搬送ロボット「SPR-AD020BPN」を手がけており、本紙は2026年7月17日に、同製品が機械工業デザイン賞で日本ロボット工業会賞を受賞したと報じた。今回のVIVACEは、そうした搬送技術の延長線上にありながら、協働ロボットとの一体化という新たな付加価値を打ち出した点が特徴だ。 業界構造への含意として、VIVACEは「移動」と「作業」を1台で完結させることで、工場内のロボット台数を削減できる可能性がある。従来は搬送ロボットと作業用ロボットを別々に導入する必要があったが、VIVACEは1台で両方の役割を担う。これは、工場のスペース有効活用や導入コスト削減につながる。また、オートツールチェンジャーにより、多品種少量生産への柔軟な対応が可能になる。 一方で、年200台という販売計画は、市場規模としては小さい。これは、VIVACEが特定の工程や業種をターゲットにした製品であることを示唆する。また、ガイドレス方式や四輪駆動など、技術的には既存のAGV(無人搬送車)と類似する部分もあり、差別化のポイントは「協働ロボットとの一体化」と「ツール自動交換」にある。 未確定の論点としては、実際の受注状況や導入事例がまだ明らかでないことだ。また、協働ロボットの可搬質量やリーチなどの仕様も公開されていない。今後の発表が待たれる。
なぜ重要か
ダイヘンのVIVACEは、搬送と作業を一体化するという新たなロボットの形を示すものだ。工場の自動化が進む中で、ロボットの多機能化と省スペース化は重要なトレンドであり、VIVACEはその一つの解を提示している。