何が起きたか

米国防高等研究計画局(DARPA)は2016年3月25日、静止軌道(GEO)の衛星をロボットで保守するための新プログラム「Robotic Servicing of Geosynchronous Satellites(RSGS)」を発表した。このプログラムでは、DARPAが開発するモジュール式ツールキットを民間開発の宇宙船に搭載し、商業所有・運用のロボット保守車両(RSV)を実現する。DARPAは、今後5年以内に軌道上で技術実証を行うとしている。

詳細

DARPAによると、現在、約22,000マイル(約36,000キロメートル)上空の静止軌道には、軍事・政府・商業用の数百機の衛星が運用されている。この軌道は通信や気象、国家安全保障に理想的だが、遠すぎて故障部品の点検や診断、ましてやアップグレードや修理は不可能とされる。完全に機能する衛星でも、搭載ペイロードが旧式化しただけで寿命を終えることがあり、数億ドル規模の資産を持つ所有者にとっては頭痛の種となっている。現在、GEO向け衛星は軌道上での支援が見込めないため、予備システムや燃料を最大限搭載して設計されており、複雑さ、重量、コストが増大している。 RSGSプログラムでは、DARPAが開発するハードウェアとソフトウェアを含むモジュール式ツールキットを、民間開発の宇宙船に結合し、商業所有・運用のロボット保守車両(RSV)を構築する。DARPAはロボット技術、専門知識、政府提供の打ち上げを提供し、商業パートナーはロボットペイロードを搭載する衛星、ペイロードの統合、ミッション運用センターとスタッフを提供する。成功すれば、GEOでの運用リスクとコストを大幅に低減できる可能性がある。DARPAは「GEOで衛星を安全かつ協力的に保守する能力は、宇宙での運用を根本的に変える」と述べている。 なお、DARPAは以前から「Phoenix」プログラムを通じて、衛星の新しい組み立てアーキテクチャと配送システムの研究を進めてきた。Phoenixは、約15ポンド(約7キログラム)の小型独立モジュール「サトレット」や、商業通信衛星に搭載してペイロードを軌道に運ぶ標準化メカニズム「POD」などの技術を研究している。RSGSは、これらのDARPAの宇宙ロボット技術の成功を活用するものとされる。

Key Facts

DARPAは2016年3月25日、静止軌道衛星のロボット保守プログラム「RSGS」を発表した。[2]
RSGSは、DARPA開発のモジュール式ツールキットを民間開発の宇宙船に搭載し、商業所有・運用のロボット保守車両(RSV)を構築する。[2]
DARPAはロボット技術、専門知識、政府提供の打ち上げを提供し、商業パートナーは衛星、ペイロード統合、ミッション運用センターを提供する。[2]
実証は今後5年以内に軌道上で行う予定。[2]
静止軌道は約22,000マイル(約36,000キロメートル)上空にあり、現在の技術では実質的に到達不能とされる。[1]
GEOには軍事・政府・商業用の数百機の衛星が存在し、通信、気象、国家安全保障サービスを提供している。[2]
GEO衛星は遠隔地のため点検・診断が不可能で、旧式化したペイロードにより寿命が短くなることがある。[2]
DARPAは以前からPhoenixプログラムで、サトレット(約15ポンド/7キログラムのモジュール)やPOD(ペイロード軌道配送システム)を研究している。[1]

なぜ重要か

RSGSは、これまで不可能とされてきた静止軌道衛星の保守を可能にし、衛星の寿命延長や運用コスト削減につながる可能性がある。DARPAの宇宙ロボット技術の商業化を促進し、宇宙インフラの持続可能性に貢献する。