何が起きたか
EE Timesは2020年7月8日、『The Rise of the 48-V Robots』と題する記事を掲載した。記事は、産業用ロボットとサービスロボットの普及状況を概観し、48V電源がロボット設計において注目を集めている理由を解説している。
詳細
記事によると、国際ロボット連盟(IFR)のデータでは、2018年時点で世界に約250万台の産業用ロボットが導入され、年間40万台以上のペースで増加している。産業用ロボットの導入は、産業、自動車、電気・電子分野が全体の半分以上を占め、金属・機械、プラスチック・化学、食品・飲料分野でも多く使われている。また、全産業用ロボットの約75%が中国、日本、米国、韓国、ドイツに集中している。 サービスロボット分野では、2018年までに25万台のプロフェッショナル向けサービスロボットが導入され、前年比60%以上の増加となった。そのうち5台に2台は物流や製造で使われる自律走行車(AGV)である。パーソナル・家庭用ロボット市場も同様に60%成長し、約1,630万台に達している。 48V電源は、一般的に使用される電圧の中で最も高い安全電圧であるため、設計者はさまざまな用途で採用を進めている。48Vベースのソリューションは、商用電源を使用する機器に比べてシステム保護の必要性を減らし、12V製品に比べて導体を細くできるため、システムの軽量化、コスト削減、電力損失の低減につながる。また、48Vで直接駆動するモータは一般的に小型で、ロボットの関節を小型・軽量化でき、効率、柔軟性、信頼性が向上する。 48V電源は、自動車分野では12Vに代わりつつあり、クラウドコンピューティングではサーバーのバックプレーンや冷却ファンなどに使われている。この普及により、48V対応のデバイスやサブシステムが広く入手可能となり、設計者の選択肢が増え、規模の経済によるコスト低下も期待できる。 ロボットは複雑なシステムであり、接続性、画像センシング、位置センシング、モータ制御などの機能要素に加え、AC/DC変換、バッテリ管理、DC/DC変換、多相コンバータ、ポイントオブロード(PoL)変換、リニアレギュレーション、モータドライバなどの電源サブシステムが必要となる。記事は、自動車やクラウドコンピューティングの機能ブロック図とロボットのブロック図には類似点が多く、他のアプリケーションの電源ソリューションをロボットに応用できる可能性を指摘している。例えば、クラウドコンピューティングでストレージや冷却ファンのホットスワップに使われる電子ヒューズは、ロボットではツールピースなどの機能ブロックをロボット自身が交換するモジュール化に利用できる。 多くの最新ロボットは48Vバスで電力を供給しており、12Vバスと比較して損失が1/16になるか、より細く軽いケーブルを使用できる。固定設置のロボットでは、力率改善(PFC)フロントエンドを備えた商用電源供給装置から48Vを生成する。ドローンや介護アシスタントなどの移動ロボットでは、バッテリを搭載し、商用電源アダプタから定期的に充電する。 48Vから直接動作する半導体は少なく、一般的には5V以下が必要である。非絶縁型PoLコンバータが高電圧をICが必要とする電圧に変換する役割を担う。場合によっては、中間バスコンバータ(IBC)で中間バス電圧(通常12V)を生成し、PoLコンバータで12VをIC電源電圧に変換する。最近では単段変換が好まれ、48VレールからIC電源電圧に直接変換するPoLコンバータも増えている。 ロボット用電源アーキテクチャには、効率、信頼性、高い電力密度が求められる。ON Semiconductorは、ロボット用電源ソリューション向けに幅広いデバイスと電源製品を提供している。同社のMOSFET製品群には、スーパージャンクションMOSFETがあり、ハードスイッチング向けのFASTデバイスや、ハード・ソフトスイッチングの両方に対応し、低EMIと電圧スパイク低減を実現するEasy Driveデバイスなどがある。
Key Facts
| EE Timesは2020年7月8日に『The Rise of the 48-V Robots』を掲載した。 | [0] |
| 国際ロボット連盟(IFR)によると、2018年時点で世界に約250万台の産業用ロボットが導入され、年間40万台以上のペースで増加している。 | [0] |
| 産業用ロボットの約75%は中国、日本、米国、韓国、ドイツに集中している。 | [0] |
| 2018年までに25万台のプロフェッショナル向けサービスロボットが導入され、前年比60%以上増加した。 | [0] |
| パーソナル・家庭用ロボット市場は60%成長し、約1,630万台に達した。 | [0] |
| 48Vは一般的に使用される電圧の中で最も高い安全電圧である。 | [0] |
| 48Vバスは12Vバスと比較して損失が1/16になるか、より細く軽いケーブルを使用できる。 | [0] |
| ON Semiconductorはロボット用電源ソリューション向けに、スーパージャンクションMOSFET、FASTデバイス、Easy Driveデバイスなどを提供している。 | [0] |
なぜ重要か
この記事は、ロボット産業の成長と電源技術のトレンドを示しており、48V電源がロボットの設計において重要な役割を果たしつつあることを解説している。半導体メーカーの製品戦略にも影響を与える可能性がある。